その画力の迫真性にすっかり魅了され:その2

Posted by モロズミ・ダン on 08.2013 巨匠・アーティスト 0 comments 0 trackback
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「科学大観」 第2号 交通特集 ㈱世界文化社  昭和38年2月発行 より
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

いきなり迫力あるイラストをアップしましたが
先週に引き続き小松崎茂作品の特集です。

このような未来予想図は
小松崎先生の得意とするカテゴリでした。

科学大観とはどのような雑誌であるかというと

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「科学大観」  ㈱世界文化社  昭和37年12月発行~ 

月刊で発行されていた
小学生向けの科学系学習誌。
専用のハードカバーに毎月綴じていきます。
この科学系雑誌のタイプが当時人気があって
「科学ブック」「科学時代」「こども科学館」
そしてこれまでよく引用してきた「科学クラブ」など
各出版社が競って発行してました。

冒頭のイラストは見開きのピンナップになっているので
広げてみましょう。

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「科学大観」 第2号 交通特集 ㈱世界文化社  昭和38年2月発行 より
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

すみません
今回も首を90度曲げてご覧ください。

「これからの交通機関」
と題して小松崎先生の解説も載ってます。
手前の車は原子噴射式オートバン
空には翼のないエアロダイン
太陽光をエネルギーとする光速ロケット
など

架空の世界をリアリティ溢れる表現で
こうなるのかぁ!と本気で信じ込ませる
説得力がありました。


続いて
かるたを

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「まぼろし小僧の冒険」 原作:御荘金吾 画:小松崎茂  信宏社
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

1950年代のものだと思います。
真田幸村の遺児、朝霧丸(甲賀少年忍者良念)を中心に
徳川家との抗争を繰り広げる時代活劇
ラジオ放送や映画で人気を集めました。
かるたなどに商品化されるか否かで
人気の度合いが伺えます。

ちなみに箱裏に鉛筆で¥70とあり
当時の販売価格だと思います。

それにしても
小松崎作品の時代劇物は珍しいのではないかと。

箱をオープン

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「まぼろし小僧の冒険」 原作:御荘金吾 画:小松崎茂  信宏社
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

中の札を確認していたら
帯封が破けてしまったので
ついでと言っちゃなんですが
何枚か札をみてみましょう。

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「まぼろし小僧の冒険」 原作:御荘金吾 画:小松崎茂  信宏社
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

ほとんどの札が
登場人物の紹介みたいな感じです。

小松崎作品にはあまりみられない時代劇物ですが
まるで得意分野のようにさらっと画きあげているようで
計り知れない力量を感じます。

青年期は日本画家を志望し
一時期、花鳥画の堀田秀叢(しゅうそう)に学んだこともあって
その時の技量が活かされているのかもしれません。

小松崎作品の展覧会や画集は
これまでたくさん企画されてきましたが
今日はそのようなメジャーな企画では採用されなかった
隠れた秀作をセレクトしています。


続いては
イラスト右下にサインがあってわかりました。

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少年少女世界動物全集「アマゾンの呼び声」 作:ウィラード・プライス(秋永芳郎・訳)
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

昭和32年に㈱講談社より発行された冒険小説。
230ページを超える厚さ3cm弱のハードカバー本。
アマゾンの緑の魔境をハント父子三人が繰り広げた大冒険談です。

絵の表記は岩井泰三となっていて
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少年少女世界動物全集「アマゾンの呼び声」(表紙裏見開きページ)
岩井泰三

この表紙裏の見開きページのアマゾン川風景や
本編の挿絵は岩井泰三氏になっていますが
カバー表紙のみ小松崎先生が担当したようです。


さらに
埋もれている秀作を

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カラー版名作全集 「少年少女世界の文学」フランス編1 ㈱小学館 昭和45年3月発行 より

小松崎作品の気配は
まったくもってありませんが

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カラー版名作全集 「少年少女世界の文学」フランス編1 ㈱小学館 巌窟王 より
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

この全集の中の「巌窟王」の口絵に
小松崎作品が多数!贅沢過ぎます

さらに本文の挿絵にも

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カラー版名作全集 「少年少女世界の文学」フランス編1 ㈱小学館 巌窟王 より
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

原画は残っているのでしょうか。
こういった作品群も
もっともっと着目されてもいいと思うのですが。


最後は
幼児用絵本から

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       こども絵本「新しい乗り物」 ㈱小学館 昭和34年12月発行 より

表紙は小松崎作品ではありませんが

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こども絵本「新しい乗り物」 ㈱小学館  より
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

羽田空港から飛び立った日航のジェット旅客機。

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こども絵本「新しい乗り物」 ㈱小学館  より
Shigeru Komatsuzaki/Keisuke Nemoto

ヨーロッパの急行列車とアメリカのトレーラー貨車。
幼児向けでも迫力満点のタッチです。

こうして見ると
幼児向けから大人の雑誌そしてボックスアート(プラモの箱絵)まで
SF、未来科学、冒険、軍用メカ、恐竜・動物、歴史物語、時代劇と
多種カテゴリでの比類なき幅広い活躍をされていたことがわかります。

今後
芸術、文化遺産の範疇でも
もっと高い評価が与えられてもよいのでは?
いや、私が心配しなくとも
間違いなく評価は上がっていくことでしょう。

小松崎展小
「小松崎茂展」   東京富士美術館

9月29日(日)
までですよ。
迫真性のある原画が多数展示されていて
是非お勧めです。



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